自己免疫性肝炎

なぜこの病気になるのか?

自己免疫性肝炎の原因としては不明ですが、この症状と診断されている患者の血液から自己抗体(自分自身を攻撃する抗体)がみられていること、ステロイド・免疫抑制剤を使用した際の効果が非常に良く現れていることから自己免疫疾患ではないかとされています。

どんな症状が現れますか

自己免疫性肝炎には症状として特徴のあるものはありません。中にはこの病気にかかっていても全く症状がないという人もいますが、患者が最初に病気に来た際に訴える症状としては倦怠感もしくは黄疸(「おうだん」と読み、眼球・皮膚などが黄色くなる)の2つが多く、他には発熱・関節痛などがあります。

どんな検査をして診断されますか

自己免疫性肝炎の可能性が疑われた場合は診断をするために検査が行われることになります。
具体的には血液検査・生検・CTやMRIによる肝臓の撮影などです。

血液検査
  1. 自己抗体があるかどうか
  2. AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の値が上昇しているか
  3. 血清に含まれているガンマグロブリンの値が上昇しているか
生検 肝臓の一部を切り取り調べる
肝臓撮影検査 肝臓の撮影を行い病変などがないかを調べる

厚生省発表の診断基準は次のようになっています

厚生省発表の自己免疫性肝炎の診断基準(1996年)

  • 血液中に自己抗体(特に抗核抗体・抗平滑筋抗体など)がみられる
  • 血清中のガンマグロブリン値もしくはIgGの値が上昇している(2g/dl以上)
  • 血清トランスアミナーゼ値の異常が持続している、または繰り返されている
  • 肝炎ウイルスマーカーには原則反応しない(陰性)
  • 組織学的には肝細胞壊死が見られ、かつpiecemeal necrosisに伴う慢性肝炎または肝硬変が起きている状態で、何度もの著明な形質細胞浸潤を認める。時に急性肝炎像をおこす。

これを参考に自己免疫性肝炎かどうか診断がくだされることになります。

治療方法はどんなことを行いますか

自己免疫性肝炎が自己免疫疾患の1つとして言われる理由としてステロイドが非常によく効くことですので、この治療にはステロイドが用いられています。
ステロイドを使うことによりAST、ALTの値が正常になることよって自己免疫性肝炎であるといえることもあります。

ステロイドの効果があまりない場合やステロイドの副作用があり使用できないという患者には免疫抑制剤が使われることになります。
ステロイドや免疫抑制剤を使用している場合は医師の注意をきちんと守った使用方法をしないと副作用などでより重い症状になってしまうこともありますので注意しましょう。

なお、症状が特にないとか軽いからといって放っておくと肝硬変になることがありますので自己免疫性肝炎と診断されたら治療をしっかりと行いましょう。

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